消えてなくなる


トラウマに関係するものに出逢った時、私は発作を起こす

動悸、痙攣、呼吸困難

そして思考が止まらなくなる

過去の出来事が目の前で起きているかのように繰り返し繰り返し再生される

誰かに助けて欲しいと思うけれど実際に行動に移すことはない

説明をすることが出来ないから

独り頭の中で叫び泣き狂う

そう、頭の中で

幼少の頃に身に着けた乖離という方法で私は肉体と精神を切り離す

そうすることで耐え難い現実を生き延びてきた

これからもそれは変わらないだろう

不都合なことが多いが、それで救われている部分もある

発作が治まった後はその痛みは消えてなくなっている

正確にはパーテーションで仕切られた向こう側にしまい込まれる

私は記憶の一部を失ったまま生きている

それは本当の意味で生きているということにはならないような気がする

記憶がないということは生きていないということ

全部覚えていたら生きていけないと判断して作り出したシステムではあるけれど果たしてそれでいいのだろうか

記憶のない生

私は本当に生きているのだろうか